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現代の擬似科学者の特徴 [科学]

このごろ思い出すことがあったのでメモ。マーチン=ガードナーは、現代の擬似科学者の特徴として以下の項目を挙げている。[1] 原著はもう50年以上も前だが、いまでも通用するだろう。

誠実な擬似科学者の偏執狂的傾向は、次の五つの形で露呈されるようである。

(1)彼は自分を天才と考える。

(2)彼は自分のなかまたちを、例外なしに無学な愚か者と見なす。彼以外の人はすべてピント外れである。自分の敵をまぬけ、不正直、あるいはほかのいやしい動機をもっていると非難し、侮辱する。もしも敵が彼を無視するなら、それは彼の議論に反論できないからだと思う。もしも敵が同じように悪口で仕返しするなら、それは彼がならず者たちとたたかっているのだという妄想を強める。……

(3)彼は自分が不当に迫害され、差別待遇を受けていると信じる。公認の学会は彼に講演させることを拒む。雑誌は彼の論文を拒否し、彼の本を無視するか、「敵」に渡してひどい書評を書かせる。ほんとに卑劣なやり方である。こういう反対の原因が、彼の仕事が間違っていることにあるとは、奇人には全く思いうかばない。……

(4)彼は最も偉大な科学者や最もよく確立された理論に攻撃を集中する強い衝動を持っている。……

(5)彼はしばしば複雑な特殊用語を使って書く傾向がある。多くの場合それらの述語や句は彼が自分で作り出したものである。……

  1. M. ガードナー 「奇妙な論理」(市場泰男訳, 社会思想社, 1989)
    早川書房から再刊されている→ 奇妙な論理〈1〉―だまされやすさの研究

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Skeptic Inquirer: Evolution and the ID Wars [科学]

Skeptic Inquirer Vol. 29 No. 6が“Evolution and the ID Wars”という特集を組んでいる。とりあえずは、記事の一覧(無記名の記事を除く)。

  • Perakh, M. (2005) Does irreducible complexity imply Intelligent Design? Skeptic Inquirer 29(6): 32–36.
  • Morrison, D. (2005) Only a theory? — Framing the evolution/creation issue. Skeptic Inquirer 29(6): 37–41.
  • Rothchild, I. (2005) The Intelligent Desingner. Skeptic Inquirer 29(6): 41.
  • Rosenhouse, J. (2005) Why scientists get so angry when dealing with ID proponents. Skeptic Inquirer 29(6): 42–45.
  • Krauss, L. M. (2005) The Pope and I. Skeptic Inquirer 29(6): 46–47.
  • Carrol, S. B. (2005) Endless forms most beatiful — A new revolution in biology. Skeptic Inquirer 29(6): 48–53.
  • Shneour, E. A. (2005) Obfuscating biological evolution. Skeptic Inquirer 29(6): 54–55.
  • Lerner, L. S. (2005) What should we think about Americans‘ beliefs regarding evolution? Skeptic Inquirer 29(6): 59–60.

内容についても、時間があれば書くかも。


動物行動の映像データベース [科学]

動物行動の映像データベースがビデオポッドキャスティングを開始している。ビデオiPod発売時には、コンテンツが云々などとも言われていたが、こういう映像はかなり向いているかもしれない。

といっても、うちにあるiPodはビデオ対応ではないので、iTunesで見ているわけだが。


気候変動で花粉症が悪化する [科学]

news@nature.comの記事: Climate change blamed for rise in hay fever — Japan's pollen allergies predicted to jump 40% by 2050

気温上昇→花粉生産量増大というのは知られている話。ただし、記事でも指摘されているように他の要因も関連する。
現在スギ人工林で多いのが40年生前後の壮齢木[1]なのだが、これが2050年には80〜90年生に移行しているはず(そのまま伐採されなかったとしてだが)。そのくらいの齢では花粉生産はどうなのか。このあたり、研究例がありそうだが。

[1] 人工林スギ齢級別面積 (PDF、1齢級=5年)